COMDEX/Fall96

1.COMDEXとは

・米国ラスベガスで毎年秋に開催されるPCを中心としたインフォメーション技術の集大成の様な世界最大の展示会。会場は大きく分けて4箇所。各会場は点在しており徒歩で30〜50分で移動しなければならない。

最大の展示場は幕張メッセの全スペースを使用するより広い。斜め見するだけでも約5時間は必要とする。皆、熱心な説明員の展示なので納得出来るまで話が聞ける。丸暗記の原稿で分けの解らないショーケースを聴講するよりましである。

 大イベントということで、説明そっちのけでシャツやバッジをもらいに来る人々も大勢いる。これらの人々はCOMDEXではなく、ショーを楽しみに来ているわけで、気前のいいブースやデザイン的に優れたロゴバッジを提供しているブースを見分ける良いバロメータであり、ショーを盛り上げる重要な参加者である。

LVCC(メイン会場)  SECC(サンズ会場)

2.今回の特徴

大きくは、いわゆるマルチメディア(DVD,3Dアニメーション)と、インタネットイントラネット)、WindowsCE等によるモバイル(移動体)による展示が多かった。

・インタネット...MSの逆襲!!

 ・ビルゲイツいわく”企業におけるインタネットは利益を得るためのもの、イントラネットは、コストをセーブするためのもの。”

・コストセイブと言う事でインタネットフォンやNetmeetingは目玉展示として各社とり上げていた。

 ・NT4.0がUNIXに代りインタネットのサーバの中核へ。

 ・MS−OFFICEは、新たにOUTLOOKによって個々のOFFICE製品とWebブラウザの融合を図ろうとしている。

AltaVistaは大々的にアピール!! 17国語をサポートする翻訳ソフト

・モバイル

 ・米国では実用域であり、モトローラのセルラモデムカードでのデータ通信などが試用されている。

 ・WindowsCEは、英語版を試用してみたが、軽快に操作できる。ペンとキーボードによる操作は便利であり、HPC(PDA)としては満足出来る。価格は、499$。問題はあくまでセカンドマシンであるというコンセプトでセールスが伸びるかどうかである。また、MS社にも一種のかけ的な側面がある。HPCの限られたリソースで快適に動作するCEのWord/Excel/InternetExplorer等は、デスクトップのWindows95用のオーバスペックに対するアンチテーゼであり成功しても失敗してもMS社は苦境に立たされる可能性がある。ハードメーカとしては、カシオとフィリップスが好評であった。ちなみにCPU(SH)を提供しているの日立である。

 ・面白いコンセプトのハードとしてはベルトへ本体、小型キーボードとヘッドアップディスプレイで標準のWindows95が動作する。最近のデータショーで単なるアイデイアとして紹介されていたPCが既に製品化されているとは...600$

 ・昨年発表された大容量ながら軽量のエアバッテリが、小型化されて発表された。

WindowsCE(CASIO製)  セルラアダプタをつけた200LX
ベルト型の腰巻きパソコン  このように腰に巻いて使う
大容量で軽量のエアバッテリ  昔は大きなバッテリだった
普段はただのカバンだが→  すぐに膝の上でタイピング!

3.AdultDex96

 COMDEXを追い出されたアダルト系のハード、ソフトを展示・即売する展示会で、これを含めるとCOMDEXの会場は、全部で5会場となる。

 ・ラスベガスの風俗振興会(?)のみなさまが、華々しくデモを行っており花を添えていた。

 ・たんなるMPEG/ビデオ/ビットマップのCDタイトルが殆どであり内容より即売に力点がおかれていた。最低5$から購入出来、出演者がその場でサインをしてくれるのはとても素敵なサービスであった。

 ・何社かは、インタラクティブ系のソフトも用意しており、様々な体験が出来るようになっていた。製作元の殆どは日本であり、ジャパニメーションで鍛えた3D技術が十分に生かされていた。

・インタラクティブ系には最適なコントローラとしておっぱい型マウスも用意されていた。流石に会社や自宅で使用する気になれず購入しなかったが、固めのタッチであった事を報告する。正直に言うと”コレカエマスカ?”と聞いたのだが”バイヤー ニシカウラン!オマエノカイシャハドコダ?”と聞かれ、”XXX社ダ”と答えると”オーフェイマスじゃぱにーずカンパニィ”といわれて危うく契約書もらいそうになったので購入できなかったのである。

 ・インタネットをつかった双方向ビデオフォンによるバーチャルセックスも当然ながらデモがあった。但し、日本からはアクセスできない。

怪しいポスター  ラスベガス風俗振興会(?)の方
おっぱいマウス  AV嬢

4.ヨタ話

・今回、ラスベガスでは全て単独行動だったので、朝・昼・晩とフラフラ歩きまわった。思った事はやはりラスベガスは治安が良いという事。結構はずれの方まで歩いて行っても安全だった。

・フラフラ歩いて一般住宅地のパソコンショップやドラッグストア、本屋等で買い物した際に、クレジットカードでAccountNOと電子サインで買い物が出来た。これは驚きである。

・LVCC、サンズ、ヒルトン間は比較的近いのだが、基調公演のアラジンはちょっとはなれている。ちなみにAdultDexはサハラというところでヒルトンに近い。多くの日本人を含む人々は20〜1時間待ってタクシーやシャトルバスに乗って移動していたが、時間が惜しいばかりに最大50分、最低20分かけて歩いた。片手にミネラルウォータ持って移動する姿はちょっと変かもしれなかった。

・サハラホテルのそばには牛のマークのラスベガスの地ビールがある。展示会が終わった19:00頃にはここに入り浸っていた。大変おいしく(喉ごしこそビールという人には向かない)日本人が自分ひとりだけでCOMDEXあがりの米国人に話しかけられ分けのわかんない英語で対応出来るのが結構面白かった。

・今回、持ち歩いた取材用のQV10と日本語が表示出来る200LXは人気者で”それはどこで展示している?””めいどいんじゃぱん?”とかよく質問された。

地ビールの製造タンク  金魚ばちの様なグラス

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